成人男性

前立腺について

前立腺

前立腺は男性特有の臓器です。膀胱のすぐ下にあり、その出口を取り囲むように存在し、その真ん中を尿道が貫いています。
正常な前立腺は栗の実くらいの大きさで重さは成人で約20gです。
また、その働きですが、精液の一部である前立腺液をつくり、射精時に精子を保護する役割をはたします。

前立腺肥大症

高齢男性に多く見られる疾患で、前立腺の内側(内腺)が肥大しはじめ尿道を圧迫し尿の出が悪くなったり、排尿時間が長くなったり、また、膀胱を刺激するので頻繁にトイレに行くようになります。 原因は加齢や男性ホルモンのバランスが崩れるためと言われています。

どんな検査をするの?
◆ 直腸診
肛門から指を入れ、大きさや硬さ(固い場合は癌の疑いあり)を調べます。
◆ 尿流測定
トイレに向かって排尿し、尿の勢いを測る検査で、排尿状態を客観的に評価します。
◆ 超音波検査
前立腺の大きさや形、膀胱に残っている尿の量などを調べます。
◆ PSA測定
PSA(前立腺特異抗原)を測り、癌の合併がないか調べます。
治療法

前立腺肥大症は良性の病気ですから、基本的には薬物治療を行います。
薬物には、圧迫された尿道を広げる薬(α1遮断薬)と前立腺を縮小させる薬(抗男性ホルモン薬)があります。 薬物が無効の症例については、お腹を切らずに尿道から内視鏡を入れて電気メスで肥大した前立腺を切除する手術(TUR-P)をお勧めします。
この場合は信頼できる関連病院を紹介させていただきます。

治療前 α1遮断薬による治療後TUR-P

前立腺癌

前立腺癌は年々増加している病気で、50代から増え始めます。
初期には、自覚症状はほとんどありません。
癌が進行すると、頻尿、排尿困難、残尿感などの症状がみられます。
また、骨に転移しやすいため、腰痛で発見されることもあります。 しかし、早く発見すれば根治術(手術療法・放射線療法)を行えますし、たとえ早期でなくても内分泌療法で9割が効果を得られます。

検査
検査

前立腺癌の検査として、もっとも普及しているのがPSA検査で、血液を採るだけの簡単な検査です。
PSAがある一定以上の高値を示すと、前立腺癌が疑われます。
(横浜市の検診でも希望者にPSA検査を行っております。) PSAが高値の場合は前立腺生検が必要となります、50歳を過ぎたら、1年に1回はPSA検査をするようにしましょう。

急性前立腺炎

急性前立腺炎は前立腺に細菌が感染して前立腺が充血し、腫れ上がる病気で、大腸菌など一般細菌が原因のことがほとんどです。
症状は発熱、排尿困難、頻尿であり、抗生物質による治療が必要となります。
症状が強い場合は菌が体内にまわる菌血性となる可能性もあり、入院加療を施すこともあります。

慢性前立腺炎

前立腺の炎症が慢性に続いている状態で長時間坐位を要す人(運転手さん、デスクワークの方など)に多く認めます。
クラミジアや弱毒細菌による細菌性慢性前立腺炎と細菌には関係しない非細菌性慢性前立腺炎があり、症状は残尿感、頻尿、排尿時痛、射精前後の痛み、会陰部不快感、鼠径部痛、下腹部不快感などで発熱は伴いません 治療は4~6週の抗生剤、消炎剤の投与、および前立腺マッサージが主となりますが、症例によっては抗うつ剤による治療が有効な場合もあります。 生活上の注意点としては規則正しい生活を行うこと、アルコールの摂取を控える事、また長時間の坐位による前立腺の圧迫を避けることなどがあります。

ED

EDとは日本語で「勃起障害」と訳しますが、完全に勃起できなくなった状態だけを指すわけではありません。
医学的な定義では「勃起はしても、硬さや大きさが足りず十分な勃起が得られない、あるいは維持できないために、満足いく性行為を行なえないこと」となります。
したがって、「常にできない人」はもちろんですが、「ときどきできないことがある人」も、「途中でダメになる人」もいずれもEDの疑いがあります。

40歳以上の男性のED有病率

■完全型血ED:勃起せず、性交が不可能
■中等症ED:たまに勃起が可能で、
性交の間中、勃起が維持できる。
出典/白井將文:臨牀と研究,76(5):841,1999

勃起のメカニズム
PDE5の作用を阻害し海綿体平滑筋細胞内のCGMP濃度を高めることで勃起を促進します

性的刺激による興奮が勃起神経を介し陰茎海綿体に送られると、
海綿体の動脈が開いて血液が流れ込みます。
海綿体はスポンジのように血液を吸い込んで貯め、膨張して硬くなります。
これが勃起した状態です。

EDの原因と治療
機能性ED
精神的ストレスによる緊張により海綿体の血管が充分に拡張せず、陰茎に流れ込む血液量が不十分になることによります。
40歳以下のほとんどがこれが原因です。
最近、不妊治療中のストレスによりEDとなっている方も多く認めます。
(治療)PDE-5阻害剤がほぼ100%効果を認めます。
器質性ED
~血管性ED~
動脈硬化や外傷などで海綿体に流入する血管が狭窄または閉塞し、
海綿体に十分な血液が供給されないことによります。
50歳以上の方に多く認め、また糖尿病、高血圧の患者、または喫煙者は動脈硬化を合併している率が高く、要注意です。
(治療)PDE5阻害剤が80%以上効果を認めます。
外傷によるものに対しては、血行再建術により根治が可能です。
~神経性ED~
勃起をつかさどる勃起神経が直腸癌、前立腺癌など骨盤内の手術や脊髄障害などで障害されることによります。
(治療)PDE5阻害剤の有効率はきわめて低く、海綿体自己注射法が有効な治療法となります。
~内分泌性ED~
高プロラクチン血症や低アンドロゲン血症など内分泌学要因による勃起障害で、下垂体腺腫や染色体異常によることがあります。

PDE5阻害剤とは

前述のようにPDE5の作用を阻害し、海綿体平滑筋細胞内のCGMP濃度を高めることで勃起を促進します。
現在日本には・バイアグラ・レビトラ・シアリスの3種類があります。
保険は認められておらず、自費となります。
当院では院内処方で医師より直接患者様にお渡ししております。

血精液症

精のう 精巣上体 精巣

精液は、精子と前立腺や精のう腺で作られる分泌液によって成り立っています。 (60%は精のう腺からの分泌液、30%は前立腺からの分泌液)
血精液症はその名の通り、精液に血液が混入した状態をいいます。
40歳前後に最も多く、痛みは伴いません。
原因ははっきりしませんが、前立腺や精のう腺の炎症が原因と考えられます。
抗生剤・炎症止め・止血剤投与でほとんどが治癒します。
ただし50歳以上では前立腺癌による場合もあり、要注意です。

精巣上体炎

精巣上体(副来丸)

精巣上体炎は、陰嚢内炎症性疾患の中で最も頻度が高い疾患です。
症状としては、患部局所の発赤、腫張、疼痛、ならびに圧痛及び発熱を認めます。
多くは大腸菌など一般細菌および、クラミジア、淋菌などが原因菌となります。
治療としては抗菌剤の内服ですが、重症の場合は抗菌剤の点滴、時に入院も必要となります。
また、安静と局所のクーリングが必要です。
鑑別としては、精巣捻転症が最も大切で、この場合は緊急手術が必要となります。

性感染症

淋菌性尿道炎(淋病)
感染機会から3~7日の潜伏期間の後、急激に発症します。
外尿道口からの、濃厚な膿の排泄、排尿痛、外尿道口の発赤などの症状を認めます。
オーラルセックスによる感染が増加しており、治療は淋菌が耐性化し、抗生剤の内服が無効となっているため、抗生剤の注射薬で行います。
クラミジア性尿道炎
潜伏期間は約1~3週間と長く、比較的緩徐に発症します。
分泌物は漿粘液性でその量もあまり多くありません。
また排尿痛は軽度で、違和感、掻痒感といった訴えも多く認めます。
クラミジアも検尿により診断ができ、検査に痛みを伴いません。
治療法は抗生剤を内服することで治癒します。

男性更年期障害

年齢とともに男性ホルモンが徐々に低下することに加えて、多くのストレスが合わさることにより様々な症状を呈す疾患です。

症状
  1. 体がだるい、やる気が出ないなどの精神症状
  2. 発汗ほてり、睡眠障害、記憶力低下などの身体障害
  3. 性欲低下、勃起障害など性機能関連症状

などがあります。
これら全ては男性ホルモン低下によるものとは限りませんが、これらの症状がある場合は専門医の受診をお勧めします。

診断方法
  1. 問診、質問紙(AMSスコア)
  2. 血液検査 男性ホルモンを含む各種ホルモン値
  3. 精巣容積、前立腺容積

などで診断します。

治療

上記検査を行い、男性ホルモンが基準より低下している場合にはホルモン補充療法(3週間に1回)を行います。