泌尿器科
急性膀胱炎
細菌が外部より膀胱内に進入して発症します。終末時排尿痛、頻尿、残尿感、時に血尿を認めます。
大半の患者は女性で、原因菌はほとんどが大腸菌です。男性も罹患することはありますが、この場合は、前立腺肥大症など基礎疾患がある場合がほとんどです。
検査は問診、尿検査をするだけで、ほとんどの場合診断できます。治療は初期に抗生剤でしっかり細菌をたたくことが重要です。
治療が遅れると細菌が腎臓へ逆行し急性上行感染して急性腎盂腎炎となることがあります。
急性腎盂腎炎
腎盂腎炎は腎盂に一般細菌が感染することにより起こります。
特徴的な所見は発熱と片側のみの腰痛で、発熱は38度以上が多く、悪寒戦慄も認めます。
前述のように膀胱炎をこじらせ、罹患することも多く認めます。
腎盂腎炎を繰り返す場合には膀胱尿管逆流症や水腎症といった基礎疾患が隠れている可能性があり、超音波検査などの精査が必要となります。
治療は軽症の場合は抗生剤内服で十分ですが、中等度以上では抗生剤の点滴治療が必要となります。
女性の尿失禁
30歳以上の女性は少なくとも2割以上の方に、尿失禁があるといわれています。
尿失禁のタイプは、大きく分けて、「腹圧性尿失禁」と「切迫性尿失禁」の2つがあります。
腹圧性尿失禁
せきやくしゃみ、急に走る、重いものをもつなど「おなかに力が入ったときに思わず漏れてしまうタイプ」です。
女性の骨盤の底にある筋肉(骨盤庭筋郡)は、骨盤内にある臓器(膀胱、尿道、膣、子宮、直腸)を支えるために重要な役割を果たしています。
妊娠、出産、老化、運動不足、肥満、慢性の便秘などによる影響で骨盤底筋郡が弱くなると、尿道が下の方へ下垂し、ぐらぐらした状態になります。
そして腹圧がかかると膀胱が押されて、十分な抵抗のない尿道から尿が漏れてしまいます。
治療は軽症であれば、骨盤底禁体操を毎日2~3回、20分ほど行います。2~3ヶ月で効果が出ます。
薬としては膀胱を緩めたり、尿道を縮めたりする薬を使います。
重症の場合は手術がよい治療法で、現在主流の「TVT手術」は傷が小さく、局部麻酔で行うことができ、入院も短期となっております。
手術は必要な方に関しては、関連の病院をご紹介させていただきます。

切迫性尿失禁
おしっこをしたいと思ったらすぐにトイレに行かないと間に合わない、下着をおろしている間に出てしまう、「我慢がきかずに漏れてしまうタイプ」です。
普通は頻尿を伴い、起きている間も、夜眠っている間もトイレが近い状態です。
切迫性尿失禁のある方の多くは、尿が膀胱に貯まる量が正常より少なく、自分の意志に反した膀胱の勝手な収縮(無抑制収縮)があります。
治療としては、膀胱容量を増やし、無抑制収縮を抑える薬(抗コリン剤)が有効です。
過活動膀胱
※尿意切迫感を有し、通常は頻尿および夜間頻尿を伴い切迫性尿失禁を伴うこともあれば伴わない事もある状態を言います。
※尿意切迫感 … 急に起こる抑えきれないような強い尿意で我慢するのが困難なもの
本邦の疫学調査では40歳以上の成人で有病率は12.4%と高く、加齢とともに有病率は増加を認めます。
診断方法
問診・質問紙により症状を評価、超音波検査により膀胱ガンなど他疾患を除外し、残尿がないことを確認、また尿検査で尿路感染を否定することにより確定診断できます。
【診断基準】 質問3のスコア・・・ 2点以上かつ合計点数が3以上
| 合計スコア | |
|---|---|
| 5点以下 | 軽症 |
| 6~11点 | 中等症 |
| 12点以上 | 重症 |
治療方法
抗コリン剤を中心として薬物治療を行います。
過敏になった膀胱の刺激をとる治療です。

